ある朝のことです。

早めに登校した小学部生が、廊下に置いてあるスポットクーラーのパイプの中をのぞきこんで遊んでいました。そこへ、登校してすぐにスポットクーラーの風を浴びたい中学部生がやってきて、スイッチを入れます。小学部生がスイッチを切ります。すると中学部生がまたすぐにスイッチを入れます。中学部生が「さわらないで。さわると怒るよ。怒られるのとやめるのどっちにする?」と言います。「やだ、(スイッチを)切って!」と反論する小学部生。スイッチをめぐって、2人のやりとりが始まります。

手を出し始めたら仲裁に入ろうと思いつつ、しばらくやりとりを見ていました。すると、いつもは割と何でも思い通りになる小学部生があきらめて、少しその場から離れて別のことをします。中学部生はスイッチを入れてしばらく涼むと、教室に入っていきました。するとそれを待っていかのように、小学部生はスイッチを切って、パイプの中を思い切りのぞきこみます。そして、満足してその場を去っていきました。

普段全く接触のなかった2人の初めてのコミュニケーションにくすっとなりました。手を出さなかった中学部生も、自分が引いた小学部生も偉い。

大人だって、けんかをすることがあります。でも、そのあとに色々と学ぶこともあります。同じように、子ども同士のやりとりのなかで、関係を学んだり、つないだりしていけるといいなあ、と思います。