この教材は、南アフリカ共和国で、長らく人権差別撤廃に取り組み、大統領になったネルソン・マンデラの伝記教材です。マンデラが目指したのは、「黒人差別を無くす」ことではなく「あらゆる差別と偏見を無くす」ことでした。無知や不寛容な心が生み出す差別、偏見に対して、怒りだけでなく寛容な心で立ち向かうマンデラの姿から公平な社会の実現に向けて考えていける教材です。

授業にあたっては事前に「ネルソンマンデラ」さんについて、簡単に説明している動画を視聴します。もっと知りたいと思う人のために、より詳しい動画も紹介しています。

ローテーション道徳で、事前に行った3クラスでは8割以上の生徒が事前の動画を視聴していました。この授業ではそれ以上の生徒が視聴していたようです。

授業では、範読の後、あらすじを確認し、ひとつ目の発問「終身刑で収監されてもマンデラが戦いをやめなかったのはどうしてだろう」に入ります。ここではいつものように一人ひとり発表をします。

 

二つ目の発問(主発問)「アパルトヘイトが終焉したのに、マンデラが『まだ闘いは終わっていない』というのはどうしてだろう」では、Teamsの投稿機能を使って、各自で自分の意見を書き込んでいきます。

  

このような発表の形を使うことで、教師は一度に多くの生徒の意見を見ることができます。また、生徒も他の人がどのような意見を持っているのかを知り、自分の意見をまとめていきます。また、発表の苦手な生徒にとっては意見を発表しやすいようです。

意見を深めていく問い返しなどが、しにくい面もありますが、対面でのやり取りを組み合わせて行うことでカバーすることはできていました。

三つ目の発問は「

マンデラが目指した「虹の国」とはどのような国だろう」です。ここでもTeamsの投稿機能を併用しました。ほぼすべての生徒が自分の考えを書き込んでいました。

本校では、1年間を通して道徳の授業内容を振り返ることができるよう、感想やその時間に考えたことを書き込む冊子を作っています。この時間のまとめとして時間をとって書き込みを行いました。

最後に授業を振り返って、Formsの機能を使ってアンケートを行いました。