こども園で一番いきものを飼育している4歳児ひまわり組。その種類は、めだか、かめ、だんごむし、かみきりむし、くわがた、つまぐろひょうもん、が、ごみむしなどなど・・・・10種類以上の生き物。テラスや花壇、園のあちこちで虫をみつけると、「これ何の虫やろ?」「○○ちゃうん?」という会話がしょっちゅう聞こえてきます。
    

 最近はクワガタムシをテラスで出して触ってみたり、戦わせてみたりして毎日一緒に遊んでいました。
 そんなある日もクワガタムシを戦わせて遊ぶことになりました。

  
あきらかに大きいオスと小さいオスを両手に持ち、戦わせようとする子がいました。どちらもめいっぱいに威嚇して臨戦態勢!戦わせようとしていた子は大興奮です!周りの子の何人かが「小さい子、大丈夫?」「かわいそうちゃうか?」と心配で声をかけていたその時・・・大きいクワガタが小さいクワガタの体にがっちり顎(あご)ではさみこんでしまったのです!「あっ!死んじゃう!?」このままでは死んでしまうと、引き離そうとしましたが放さず、検索して「おしりをこそばしたら放すかも」とやってみても放さず、顎を持って開こうとしても、エサでつっても離せません。それどころか締め付ける力がますます強くなっていきます。遊んでいた子も周りで見ていた子もすっかり困ってしまいました。どうしよう・・・「雨みたいに水がかかったら放すかも!」
 小雨風に水しぶきをかけても放さず、大雨レベルの水しぶきがかかったクワガタはやっと、小さいクワガタを放しました。が、小さいクワガタはぐったりしてしまいました。
「かわいそうなことしちゃったな・・・」というつぶやきが聞こえる中、戦わせた子は「ごめんね。ごめんね。」とぽろぽろ涙が…。小さいクワガタは大変なことになってしまったし、大きいクワガタも、本当は戦いたくなかったかもしれません。そのままにしていたら小さいクワガタは死んでいたかもしれません。虫と一緒に遊ぶのは楽しいけれど、もっと命を大切にする方法を考えなければいけないなとみんなで反省したのでした。クワガタさんに命の大切さを教えてもらった出来事でした。