ぽっかぽか週間(校内人権週間)の取組8「ふれあい道徳参観日『5学年の授業』」

 「誰もがかけがえのない大切な存在であると感じることにより、自他を大切にする心情を育てること」「互いに励まし合い、支え合う温かな関係を築き、共に生きていこうとする態度を育てること」をねらって、「ぽっかぽか週間(校内人権週間:10月28日〔水〕~11月13日〔金〕)」がスタートして1週間目に「ふれあい道徳参観日」を実施しました!

 今年もお家の方と一緒に「『人として』自分を大切にするように友達や周りの人を大切にするということ」「『人として』自分も友達も周りの人も大切にされるということ」について、発達段階に応じた資料を用いて考え合う貴重な時間となりました。

 

〇5年生「町の石ひ」

  ほほえみ(兵庫県小学校高学年教育資料)より「町の石ひ」の範読を聞いて、当時の村の人々の生活の様子について考えていきました。

 その中で、ずい道を掘るという何年にもおよんだ工事に取り組んだ人々の思いや願いが見えてきました。

 

「教科書の地図」や「実際のずい道写真」を見て確認することで、大変な工事であることがわかりました。

 

 せっかく完成するという時に、大雨や洪水によってまたやり直しをせざるをえない状況になったこともわかりました。 

   

 「どんな困難な状況でも工事を続けたのはなぜか」について、お家の方と一緒に考えていきました。資料にたちかえりながら、真剣に意見をやりとりし合う子どもたちとお家の方の姿が素敵でした。

 

 「今までの頑張りや思いを無駄にしてなるものか」「今の状況を変えるためには続けることから逃げてはならない」「自分には、一緒に困難を越えていく仲間がいる」・・・中心となり活躍した平右衛門さんの思いに寄り添う思いが子どもたちから出ていました。

 

 大変な工事を経てずい道が完成し、新田に水が流れ込む様子を目の当たりにした平右衛門さんや村の人たちの思いを考え合う中で、当時の先人の努力が現在の三木市における酒米作りに通じていることを知り、あらためて平右衛門さんたちの偉業を受け止める姿がありました。

 

〇子どもたちの感想より(一部紹介)

・平右衛門さんと村の人ががんばったから、自分たちの水田ができたというのがよかったです。今は、機械があるけど昔はなかったので、自分たちの水田ができたなんてすごいと思いました。

・努力すれば最初は無理だと思ってもできるということを学びました。あきらめずにやったら成功するということに気づきました。がんばってやることは大切だと思いました。

十年も苦労するのはたえられないのに、たえて完成までもっていった人たちはすごいと思いました。昔はこんなに苦労していたのだと知りました。そして、昔の人ががんばってくれたおかげで、今こうしてぼくたちが豊かにくらしていけるのだと思いました。

 

〇お家の方の感想より(一部紹介)

・様々な苦労を経験してきたので、子供たちを学校へ行かせてやりたい、今後の暮らしがよいものに・・という願いがうまれたのだと思います。10年という長い間、工事を進めていくことも苦労の連続でしたが途中あきらめることなく、続けることができたのは強い願いがあったからだと思います。

・新田がどうやってできたのか、その歴史について知ることで、あたり前に見ている景色が意味のあるものになったのではないでしょうか。5年生にもなると出てくる意見は大人のそれのようでした。

・機械もない時代に、自分たちのために村人みんなで協力し合い、何十年もかかって作った田んぼに稲が生まれた時、子ども達も発表していたように、一言では言い表せない何とも言えない気持ちだったと思います。

・昔の人の苦労があって今の豊かさがある・・親子で一緒に課題に取り組むことができる貴重な時間となりました。

・今より道具などない時代に、荒れ地を田んぼに変えたり、ずい道やため池を作る作業は本当に大変だったと思います。参観後、偶然近所の方と地区の昔の田んぼや道路などの話をする機会がありました。先人達の勇気や努力、熱意と協力があったからこそ、今のこの町があるのだと思うと、この風景をもっと大切にしていかなければと思いました。